清しい僕たちは空気清浄機を見て言った

空気清浄機がある空間は、いつも素晴らしい。

アナログ技術と化学知識の融合

time 2025/01/03

アナログ技術と化学知識の融合

電気がなくても使える技術を追求していくと、多くの場合は「昔ながらのアナログ技術」と「現代の化学・生物学の知見」が結びつくことになる。たとえば、水力で回る水車の回転軸に布製フィルターを何重にもセットし、それを定期的に取り替えたり洗浄したりする方式。ここでは簡単な構造ほど故障が少なく、長期的に運用しやすい。フィルター素材には、竹炭や活性炭などの“吸着力”に優れた素材を使い、雑菌を抑えるために銀イオンや銅などを配合してもよいだろう。

また、ろ過の段階では自然由来の凝集剤が利用される可能性もある。たとえばモリンガの種子の粉末は、古くから飲料水をろ過する際に使われてきた。これを空気清浄にも応用すれば、微細な粒子やバクテリアを取り除きやすくなるかもしれない。
さらに、光触媒や生物ろ過の技術も組み合わせれば、多段階の空気清浄システムが構築できる。電力に頼らずとも、人力・風力・水力・太陽光・植物・微生物の力を組み合わせることで、有害物質を少しずつ除去していくのだ。

建築・都市設計への応用

電力がない世界においては、一台一台の空気清浄機に頼るのではなく、建築や都市全体を「空気清浄の仕組み」として作り上げる発想が重要になる。エアコンや換気扇を動かせないからこそ、家の形状、窓や通風口の位置、屋上緑化、壁面緑化、水路の配置など、あらゆる要素を総合的に検討する。

1. 自然換気を最大化する建築
建物の構造には、伝統的な日本建築や中東の“風の塔”の技術など、自然換気を活かす智慧が多く詰まっている。うまく風を取り込むことで室内に新鮮な空気が流れ込み、汚れた空気を排出する。電力がない時代に戻ったからこそ、昔ながらのパッシブデザインが再び脚光を浴びるのだ。これに加え、風の通り道に先述のようなフィルターや水膜を張り巡らせれば、自然換気と空気清浄が同時に行える。

2. 都市計画としての風洞・水路
家だけでなく、都市全体の設計も変わる。高層ビルを風車の羽根のように配置し、ビル群の間を巨大な風の通り道にする「都市型風洞」が構想される。そこに生まれた気流を利用して、水車付きの空気清浄フィルターを回転させたり、河川や運河からくみ上げた水を落下させて大規模な“ウォーターカーテン”を展開したりできるのだ。街路樹や公園が増えれば、植物による空気浄化効果も期待できる。

電気に頼らないからこそ、自然の力を最大限に活かす都市デザインがより重視される。ビルや舗装道路、コンクリートの壁だけではなく、風と水と緑が絶妙に組み合わさって循環していく環境こそが、新たな都市空気清浄機能の基盤となる。

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