2025/03/16
今さらですが、今となってはおなじみの「隈研吾建築の劣化やばくね?」の記事にまた出ていましたので、そう言えばと思って件の空気清浄機を見てみました。
隈研吾監修の新コンセプト空気清浄機、シャープが見据えた家電進化の新たな進路
https://news.mynavi.jp/article/newsinsight-331/
ここでは、「シャープが見据えた家電進化の新たな進路」というお題と言うかテーマであるため、このことについて触れたいと思います。
改めて、昨年の秋に発表されたシャープの高級空気清浄機「FU-90KK」。この製品は、建築家・隈研吾氏が監修し、日本の伝統的なデザイン要素を取り入れた「家具のような空気清浄機」として話題になっている。しかし、価格はなんと55万円。この価格設定もさることながら、隈研吾氏の「この空気清浄機は、家電ではなく家具であり、さらに家具を超えたもの」というコメントが目を引いた。
「家具を超えたもの」——この言葉、正直なところ抽象的すぎてピンとこない。
確かに、デザインは美しい。ホワイトオークの無垢材を使い、日本の伝統的な「簾虫籠」や「障子」をモチーフにした縦格子デザインは、高級ホテルや和モダンな空間にはよく馴染むだろう。家電の見た目がインテリアと調和することは、特にデザインにこだわる層にとっては大切なポイントだ。
でも、それだけではないか?
この空気清浄機を「世界に誇るプロダクト」と言うには、ちょっと無理があるように感じる。シャープのプラズマクラスター技術自体は確かに優れたものだが、それは従来のモデルにも搭載されている。では、この55万円のモデルに特別な技術革新があるのか?
現時点では、目立った技術的な新規性は見当たらない。要するに、「高級な木製カバーを取り付けたデザイン家電」以上のものではないように思える。
こういう高級デザイン家電の戦略は、決して珍しいものではない。たとえばバルミューダが手掛ける家電製品は、機能性だけでなくデザインとブランド価値で差別化を図っている。同様に、この空気清浄機も「デザイン家電」としてブランディングしているのだろう。しかし、「家電の歴史に新たな1ページを刻む」という表現には、正直なところ違和感を覚える。
むしろ、「世界に誇るプロダクト」というべきは、シャープの空気清浄機そのものではないだろうか。プラズマクラスターは世界中で評価され、シャープの技術はすでに確立されている。著名な人物のデザインを採用してそれだけを前面に押し出すなどの、いわば小手先のマーケティングに注目するのもいいが、それ以上に、シャープ本来の技術力こそもっと自信を持ってほしいと思う。
最終的に、この製品の価値を決めるのは市場の反応だろう。そして5か月経過した段階で(今2025年3月)、すでにこの空気清浄機は話題になっていないように見受けられる。